冬の内見(見学)は、室温・湿度・照明・写真の見せ方で第一印象が大きく変わります。本稿では、売却物件が冬の内見で選ばれるための具体策を、推奨値と実務手順に分けて整理します。
1. 冬の内見で最優先すべき「暖かさ」の作り方
目安室温:少なくとも18℃以上を確保してください。寒さは滞在時間・印象に直結します。
目安湿度:相対湿度40%以上を維持すると乾燥感の軽減と体感温の向上に役立ちます(加湿器併用推奨)。
当日の流れ(例)
- 来訪60〜90分前:全居室の暖房を入れて均一に予熱。廊下・脱衣所も冷えないようドアを開けて温度差を減らす。
- 来訪30分前:軽く換気しつつ、室温18℃・湿度40%以上をキープ(加湿器+弱送風)。
- 当日:玄関に温かいスリッパ、コート掛け、濡れた靴用マットを用意。
2. 「明るさ」で好印象を作る:照度・点灯・色のコツ
推奨の目安照度:居間200lx程度、廊下100lx程度、食卓・調理台300lx程度。内見中は全室の照明を点灯し、暗部はスタンド等で補助すると表情が明るくなります。
- 影を作らない:部屋の隅・窓際・キッチン足元に局所照明。
- まぶしさを避ける:直視グレアを避け、乳白カバーや間接照明を併用。
- 動線の明るさ連続性:部屋⇄廊下で急な明暗差を作らない。
3. 写真の見せ方:集客段階で「見に行きたい」を作る
内見の前に勝負は始まっています。ポータルや自社サイトの写真は来場動機を大きく左右します。以下は反響を高める基本です。
- 水平・垂直のキープ:床・天井は水平、柱・窓枠は垂直(スマホのグリッド機能ON)。
- 明るい時間帯+全灯:可能なら日中に撮影し、室内は全照明を点灯。暗所はスタンド等で補う。
- 画角の使いすぎに注意:極端な超広角は歪み・誤認の原因。必要なら歪み補正。
- 立ち位置・高さ:コーナーから斜め(対角)構図、カメラ高は腰〜胸(目安約1.0m)。
- 生活感の除去:洗濯物・ゴミ箱・映り込みを排除。水回りは水滴を拭き、蛇口やレバーを正対に整える。
注意(表示ルール):実物と異なる印象を与える過度の加工や別物件写真の流用は、不動産広告の表示ルールに抵触するおそれがあります。写真は取引対象そのものを、誤認を招かない形で掲載してください。
4. 当日の見せ方:内見導線と体験価値の最適化
- 最初に「一番明るい部屋」へ:第一印象を写真と一致させる。
- 寒さの分断をなくす:玄関→廊下→居室で温度差を作らない(ドア開放・弱送風)。
- 換気の見える化:CO2モニターがあれば1,000ppm超にならない範囲で小窓開放。
- 滞在導線:LDK→水回り→個室→収納→ベランダ・外観の順で「使うシーン」を説明。
5. 最低限やっておくチェックリスト
- 室温18〜20℃・湿度40〜60%をキープ(全室点灯)。
- 玄関に温かいスリッパ/濡れ対策マット/コート掛け。
- 写真と同じレイアウトに整え、余計な私物は収納。
- におい対策(直前の換気+消臭、強い芳香は避ける)。
- ベランダ・アプローチの除雪・防滑を確認。
- 写真は誤認を招く加工・流用をしない(表示ルールを順守)。
参考情報源(抜粋)
- 住まいの温熱環境に関する公的ガイド(居室18℃目安、温度差対策に関する解説)。
- 室内換気・加湿の衛生管理ガイド(室温18℃・湿度40%以上の目安)。
- 住宅照明の照度基準に関する規格・解説(居間200lx、廊下100lx、食卓・調理台300lx など)。
- 不動産広告の表示ルール(写真の加工・流用に関する留意点)。
免責事項
本記事は一般的な推奨値と実務慣行をまとめたもので、設備仕様・地域慣行・媒体規約により最適解は異なります。広告出稿時は最新の表示ルールをご確認ください。本文中の「居間200lx」「室温18℃以上」「湿度40%以上」は目安値であり、個別物件の条件・管理規約・施工制約等については確認できていません。
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杜丸不動産
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