COLUMN 杜丸コラム

中古戸建てリノベーションの費用相場と成功のコツ

更新日:2025.10.24

本記事は、公的機関・業界団体の公開データ(2024〜2025年)を根拠に、戸建て中古住宅のリノベ費用相場、補助金・税制、見積り時の注意点を整理したものです。調査年・制度名を明記し、数値は出典を添えて示します。

1. 全体像:平均費用はいくらか

  • リフォーム実施者の平均費用434.2万円(補助金含む、2024年度調査)で、前年度比+86万円。検討時の平均予算は290.7万円費用は平均で予算を約140万円上回る傾向が確認されています。住宅リフォーム推進協議会の2024年度実態調査の要約(Housing Tribune・新建ハウジングの報道)および同協議会資料より。
  • 別集計でも、戸建ての平均506.2万円、検討予算301.1万円との乖離が指摘されています(調査原典:住宅リフォーム推進協議会)。

ポイント:全体費用は工事範囲・劣化状況・設備グレード・断熱/耐震の有無で大きく変動します。平均値は目安であり、個別の劣化診断(床下・屋根裏・構造躯体)と現地見積りで精緻化が必要です。

2. 工事項目別の相場目安

  • キッチン(レイアウト含む):主流価格帯は150〜300万円、全体の約95%が〜450万円の範囲(大手メーカーの集計)。
  • キッチン交換の型別目安(I型/L型/対面型など):約60〜350万円のレンジ(設備グレード・配管移設の有無で変動)。
  • フルリフォーム(築30年前後):事例レンジで約500〜2,000万円。躯体補修・断熱・耐震を含むと1,000万円超も想定。※民間解説だがレンジ感の参考。
  • 国交省資料の目安(過去版)全面・大規模500〜1,000万円超、二世帯化・古民家再生は800〜3,000万円等のレンジ提示(古いが幅感の参考)。最新年版の更新有無は確認できていません

注意:水まわりの位置変更・配管更新、断熱改修(窓・外皮)、耐震補強、劣化補修(シロアリ・雨漏り)を含めるほど費用は上振れします。追加工事の発生を抑えるため、事前の解体調査(部分開口)やインスペクションが有効です。

3. 補助金(2025年):省エネ系の大型制度

  • 住宅省エネ2025キャンペーン:国のリフォーム補助の総称。2025年は4つの事業で省エネ改修を後押し。対象・上限・申請フローは公式ポータルを要確認。
  • 先進的窓リノベ2025:既存住宅の窓・ドアの断熱改修に補助。要件・申請は登録事業者経由。

実務ポイント:補助金は「対象製品・工事の型番・仕様」「申請枠」「事業者登録」が要件化されます。見積り時に対象可否と上限額、申請スケジュールを書面で確認してください。民間メーカーの案内ページは参考情報であり、最終確認は必ず公式要綱で行います。

4. 税制(2025年):住宅ローン減税と改修減税

  • 住宅ローン減税(既存住宅・増改築):控除率0.7%、既存住宅の控除期間原則10年などの枠組みが継続(令和7年度)。詳細は国交省の最新案内を参照。
  • 特定増改築等住宅借入金等特別控除(ローン型・改修版の住宅ローン減税):対象となる改修・要件は国税庁タックスアンサーで明示。令和4年以後の適用関係に留意。
  • 住宅特定改修特別税額控除(ローンなしでも可):バリアフリー改修など一定の工事は、令和7年12月31日までの入居で税額控除の対象。
  • 増改築等工事証明書:税制適用に必要。国交省が様式と「標準的工事費用相当額」の計算ツールを公表。設計者・建築士発行時の必要書類も明示。

実務ポイント:適用制度は「工事内容・規模」「入居時期」「所得要件」「住宅の性能・築年数要件」で分岐します。見積段階で税理士・建築士と必要書類(増改築等工事証明書・契約書・図書)と入居時期を逆算してください。

5. 見積り・契約でのリスクと対策

  • 追加費用の管理:契約後の仕様変更や解体後の発見事項は、都度の変更見積書書面合意で管理。住宅紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)は「合意内容は議事録・見積書・契約書に残す」ことを推奨。
  • 悪質勧誘の回避:「無料診断」を装った訪問勧誘や保険金悪用などに注意。公的相談窓口(住まいるダイヤル、消費生活センター等)を活用。
  • 予備費の設定:平均で予算超過が生じやすい実態から、総額の10〜20%を予備費として計上することを推奨(超過の実態データに基づく運用上の目安)。

6. 予算組みの具体例(モデルケース)

前提:中古木造戸建て(延床100㎡前後)。水まわり更新+内装+断熱窓(一部)+劣化補修の中規模リノベ

  • 水まわり(例:キッチン入替+配管一部+内装調整)150〜300万円(主流帯)。
  • 浴室・洗面・トイレの更新100〜250万円公的な最新横断値は確認できていません。民間相場を参考)。
  • 窓断熱(性能窓・内窓):規模により数十万〜百数十万円。補助併用可(先進的窓リノベ2025)。
  • 内装一式+建具一部交換50〜150万円(範囲により増減)。 横断的公的相場は確認できていません
  • 劣化補修・予備費50〜150万円(雨漏り・下地腐朽等の有無で変動、予備費含む)。

概算合計350〜850万円(上記の組合せ例)。耐震補強・全面スケルトン・全窓高性能化などを加えると1,000万円超に達し得ます。最終値は現地調査・設計の上で確定します。

7. 成功のコツ(チェックリスト)

  • ① 事前診断の徹底:床下・小屋裏・外壁の劣化、アスベスト・白蟻、雨仕舞、耐震。インスペクション+部分解体調査で追加発生を抑制。
  • ② 仕様書・図面・工程の明文化:見積内訳・型番・数量・施工範囲を書面管理。変更時は変更見積+合意書
  • ③ 補助金・税制の「要件×時期」管理:対象製品・登録事業者・事業枠・入居時期・証明書の取得(増改築等工事証明書)。
  • ④ 相見積りと費用レンジの理解:平均434万円という実態を踏まえ、予備費10〜20%を計上。
  • ⑤ 相談窓口の活用:トラブル時は住まいるダイヤル・消費生活センター等へ早期相談。

参考情報・根拠資料(主要)

  • 住宅省エネ2025キャンペーン(国交省ほか)公式ポータル。
  • 先進的窓リノベ2025(環境省)公式。
  • 住宅ローン減税(令和7年度の概要・既存住宅は原則10年)。
  • 国税庁タックスアンサー(特定増改築等住宅借入金等特別控除、住宅特定改修特別税額控除)。
  • 増改築等工事証明書(国交省:様式・標準的工事費用相当額ツール)。
  • 住宅リフォーム推進協議会 調査(2024年度):平均434万円等。
  • キッチン費用レンジ(メーカー集計)および型別目安。
  • 大規模リフォームの費用レンジ(国交省過去資料・参考)。最新更新有無は確認できていません
  • トラブル予防(住宅紛争処理支援センター/住まいるダイヤル)。

免責事項:本記事は2025年10月24日時点の公開情報に基づく一般解説です。制度の要件・申請枠・税制・補助額・適用期限・各社価格は変更される可能性があります。最終判断は、必ず最新の官公庁要綱・国税庁資料・自治体告示・事業者見積書等でご確認ください。自治体独自補助の最新条件・上限額は自治体公開資料で確認できていません(地域差が大きいため)。

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